イギリス料理って本当に美味しくないの?
「イギリスに留学していた」というとかなりの確率で聞かれるのが、『イギリス料理って美味しくないって聞くけど本当にそうなの?』という疑問。実際イギリスに留学していた私の経験から言うと、きちんとお店を選べば美味しいイギリスの食事はたくさんあります✨
でも、そもそもイギリス料理ってなんだろう?筆者もイギリス留学をするまでイギリス料理とは何かと聞かれてもあまりピンとはきていませんでした笑 それもそのはず、イギリス料理は世界各国の料理をイギリス風にアレンジしているものが多いからなんです。
イギリス料理はどのようにして今の姿になったのか?
産業革命前のイギリスでは、中世から続いていた豊かな食文化がありました。例えば、800年頃に生まれた血を入れたソーセージであるブラックプディングや13世紀頃にイギリスのコーンウォールという場所で生まれたパスティは牛肉、玉ねぎ、ジャガイモが入ったパイのようなものです。
またフランスの食文化の影響も受け、フランスのソースを使ったレシピなどイギリス流にアレンジされた様々な料理が増えました。こうして18世紀頃までは順調に食文化が発展を遂げてきました。
しかし、ヴィクトリア朝の時代に産業革命によってエンクロージャー(囲い込み運動)が行われたことで多くの農民が都市部に移動させられ工場労働者として働かされるようになりました。それまで農民たちは近くの森林などで狩りなどをしたり、川に流れる魚などを捕ることもできてほぼ無料で肉や魚を食べることのできました。しかし、都市部に移動させられたことで少ない賃金で肉や魚を手に入れることは困難な状況となりました。その結果、彼らが食べる食事はジャガイモなど安価に手に入るものへと変化しました。そのため、今まで各村などで築き上げられてきた伝統的な食文化は崩れていきます。加えて、調理に必要な燃料も価格が上昇したため短時間でジャガイモを煮る、焼くなど簡単な料理しかできなくなっていきました。
この食文化の崩壊は中流階級やへも影響を及ぼしました。上流階級の人々はもともとフランス人の料理人などを雇っていました。これを真似て料理人を雇おうとした中流階級の彼らが雇っていた料理人は経費の面からもイギリスの労働者階級出身のものが多かったのです。そのため、中流階級の食文化までも崩壊へと繋がってしまいました。
その後20世紀に入り、労働者が普通に野菜や肉、魚などを調理できる環境になったため食文化が一時は改善されたように思えました。
しかし、相次ぐ戦争(第一次世界大戦、第二次世界大戦)によって食糧不足や代用品食料(乾燥ジャガイモ、スパムなど)の影響によって料理の質はますます下がっていきました。
結果的にこの時代にイギリスを訪れたアメリカ兵などによってイギリス料理が美味しくないというステレオタイプが広まっていったと考えられます。
戦後、イギリスの食文化はさらなる発展を遂げて新しいイギリス料理なども生まれ、今の姿になっています。もともとたくさんの植民地を持っていた影響やグローバル化などもあり多文化主義的な料理も数多くイギリスに根付いています。これが、世界各国の料理をイギリス風にアレンジしているものが多いと私が感じた理由だと考えられます💡
イギリスの国民食はチキンティッカマサラ?!
イギリスの元外務・英連邦大臣であるロビン・クックがイギリスの国民食をチキンティッカマサラ(インドのカレー料理)と言ったほどです笑 確かにイギリスにはたくさんのインド料理のお店があります!そしてスーパーなどのReady meal(レンジでチンして食べられる食事)のコーナーには必ずと言っていいほどこのチキンティッカマサラが並んでいます笑
まとめ
このような歴史的背景からイギリス料理は美味しくないというステレオタイプが現代でもつきまとってしまっていますが、独自に発展したイギリス料理の中でも美味しいものはたくさんあります!なので次回はそんなイギリス料理の魅力を知ってもらうために私のお気に入りのイギリス料理についてご紹介していきたいと思います😋
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